ポロックの守破離

ポロックはピカソを超えたか。今、愛知県立美術館でジャックソン・ポロック生誕100周年を記念して日本国内初となるポロック展が開催されています。先日、観てきました。イランのテヘラン現代美術館が所蔵している、ポロックの最高傑作の数々を・・・。

 

 守破離という言葉があります。「守」とは、師に教えられたことを正しく守りつつ修行し、それをしっかりと 身につけること。「破」とは、師に教えられしっかり身につけたことを自らの特性に合うように修行し、自らの境地を見つけること。「離」とは、それらの段階を通過し、何物にもとらわれない境地をいいます。

 

 若い頃のポロックはピカソのキューピスムに刺激を受け、ピカソの画を模倣したような、いわゆる抽象画を描いています。その後、抽象表現の中でも、彼は床にキャンパスを置いてキャンバスの上を動き回り、ペンキを垂らしたり撥ね付けたりという型破りな描き方で独自の道を切り開いていきました。

 

 今回の展示会の目玉作品となっている伝説の作品「インディアンレッドの地の壁画」。競売会社クリスティーズによる最新の評価額は200億円です。ピカソの画にはいくらの評価額がついているか、評価額はどちらが高いかは知りませんが、展示会のパンフレットには”ピカソを超えたポロック”と紹介されていました。ポロックの晩年の作品は、「何だこの画は・・・」と批判・酷評されるようなものだったようです。見方ろ変えれば、何物にもとらわれない「離」の境地の作品を描いたとも言えます。間違いなく、ポロックはピカソを超えたのです。画には素人の私ですが、作品を観ると、そんな感じがします。ポロック展、お見逃しなく!