心に刺さる言葉

最近のニュース

千葉県野田市で小学4年生の女の子が父親の虐待で亡くなりました。可哀そうであり、人の親として許しがたい最近のニュース。外では実直で、穏やかな人。内では家族を虐待する父親。

 

内厳外優

「普通、身内には厳しく、他人には優しくするものだ(内厳外優)」。年配の方にこのような言い方をする人がいます。日本人の国民性のなせる業でもあり、自分の家族を思っての教育・指導のための厳しさでもあるような気がします。最後までちゃんとやるようにならないと社会人などになって苦労するからと。もう一つの、余り好ましくない側面として、気の弱い人に多いようですが、外面(ソトズラ)が良く周りから慕われていたり、いい人って思われいる人。どこかで無理し、周りに合わせようとし過ぎる。その反動でストレスの発散先として、家族に当たったりする「内厳外優」。

 

身近な人ほど丁寧に

その本にはいくつかのページに付箋が張ってあります。その中でも、直ぐに開けるように詩織が挟んであるページ。このページには「身近な人ほど丁寧に」というタイトルで、こんなことが書かれています。

「僕は、いちばん身近な人こそ、いちばん口に気をつけるようにしています。なぜなら、他人には元々気をつけて口を開きますが、身近な人にこそ、ついつい口が軽くなってしまうものだからです。気をつけていても気を許しているし、一緒にいる時間が多いので、やはり口のつまずきで相手を怒らせてしまうことがあります。そこで本気で相手を怒らせてしまうかどうかは、日ごろから、優しい言葉のキャッチボールができているかどうかなのです。普段からギスギスした会話を交わしていれば、大きな喧嘩の火種にもなるでしょう。しかし普段から優しい会話を交わしていれば、喧嘩にはなるけれど、そういう口の失敗はお互いにあるよね、で済みます。何よりも日々の優しい言葉のキャッチボールは、お互いの愛を深めてくれます。そして、身近な人から学んだキャッチボールの仕方を、仕事関係でも友人関係でも実践できるようになるというメリットがあります。我が家では、6割が敬語で4割ぐらいが冗談をふくめたくだけた言葉遣いです。敬語を親しい夫婦の間で使うメリットは、敬語では口喧嘩にはならず、それを子供を含めた第三者に聞かせることがないことです。人の醜い罵り声ほど嫌なものはありません。優しい言葉のキャッチボールは、本人たちも、聞いている周りの人たちも皆を幸せにします。何よりも、感情にまかせて大きな声を出したり汚い言葉を使うと、あとで必ず、深い自己嫌悪に陥ります。人を傷つけるだけでなく、自分自身をも傷つけるのです。<中略>言葉遣いは、気遣いなのです」。

 

ホンモノの大人とは

その本は、82歳の漫画劇作者である小池さんが書いた『人生の結論』。「身近な人ほど丁寧に」の他にも、いくつか心に響く、刺さる内容が書かれている本です。「成熟した大人」とは、自分が成熟していないニセモノの大人であると自覚している大人のことです。そして、少しでもホンモノになろうと考えることができる大人のことなのです。あなたが大人にならずして、誰が子供を守り育てるのですか。「はじめに」には、このように書かれています。4月で74歳になる私には心に刺さる言葉です。年を重ねただけの大人には、なりたくないものです。